アンクル・チャッキーの名盤紹介

私が名盤だと感じるCDアルバムを、次々と紹介していくブログです。読者様の心のどこかに引っ掛かって貰えれば、嬉しいです。

山崎まさよし 『HOME』

山崎まさよしが、世に知られるきっかけとなったアルバムである。

 

まあ世に知られるようになる一番の理由は、このアルバム収録の「セロリ」を、SMAPが歌ってヒットさせたことだろう。私はこのSMAPの歌を聴いたとき、「変な歌だなあ」とか思っていた。そのいびつな感じが、SMAPにやけにフィットしていたように感じたが、その後のSMAPのイメージにも、少なからず影響を与えた曲だったんじゃないか?

 

癖のある、歌詞。ちょっと独特な曲調。こういうのを使って、ちゃんと一つの作品として価値のあるものを作り出すのって、実は相当な技量を持っていないと、出来ないんじゃないか、と思う。それと、あの唯一無二の歌いまわし。私は、これがちょっと気になって、ずっと山崎まさよしを避けていた。私は大学で、アコギサークルに入っていたわけで、周りには山崎まさよしをやる者がごろごろいたが、私は「うぇ~」という感じで、避けていた。

 

ただ、その頃、元ちとせ(このブログで何故かよく出てきますね。)が、このアルバム収録の「名前のない鳥」をカヴァーしてるのを聴いて、これはほんとにいい歌だなぁ~、などと感じてはいた。

 

私がこの『HOME』を買って聴いたのは、数年前のことである。それで初めて、まともに山崎まさよしと向かい合ったのであるが、いや、ホントにノックアウトされました。これだけの実力者って、日本ではかなり稀なんじゃないか?と思うくらいだった。つまり、この人は基本、アコギ一本と、その特徴的な歌声だけで、ちゃんと自分の音楽の世界を作り出してしまっているのである。そして、その水準が非常に高い。高いだけでなく、ちゃんとポップさを兼ね備えている。いやぁ~、ホントに凄い人っす。

 

 

不肖、私、最近、改めてギターと向き合ってみようかと感じ始め、前出の「名前のない鳥」を、アコースティック・ギターで練習している。現在の演奏レベルは、59点くらい。…この曲、本当に美しい曲なんであります。ビートルズ「ブラックバード」に次ぐ、私の第2のレパートリーにしようと考えています(大学時代何をやってたんだ、って感じですね)。

 

 

この『HOME』、名曲が本当に多い。有名どころだけでも、「アドレナリン」、「セロリ」、「名前のない鳥」、「One more time,One more chance」と、もう矢継ぎ早である。とってもお得なアルバムである。

 

歌は世に連れ、人に連れ。このアルバムが発表されたのは、1997年である。世紀末に向けて、世の中が混乱に向かい始めていた時代に、音楽業界も、とにかくヒット曲を作りだそうと、躍起になっているような印象を感じていた。その時は気付かなかったのだが、山崎まさよしはそんな時代の中で、ちゃんと良心的な音楽を作り出す、数少ないミュージシャンだったのだな、と改めて感じる。

 

時代に迎合する音楽を作るのもいいですが、やっぱりミュージシャンたるもの、「俺が時代を作る!」くらいの勢いで、音楽を作り出していってほしいものですね。

 

もうそんな人がまた出てきたら、私は喜んで付いていきます!

 

 

 

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