アンクル・チャッキーの名盤紹介

私が名盤だと感じるCDアルバムを、次々と紹介していくブログです。読者様の心のどこかに引っ掛かって貰えれば、嬉しいです。

《KURT ROSENWINKEL TRIO JAPAN TOUR 2016》

本日、東京駅丸の内口近くの、COTTON CLUBにて、カート・ローゼンウィンケル・トリオの演奏を、聴きに行って来ました。

 

トリオのメンバーは、カート・ローゼンウィンケル・・・ギター、Dario Deidda・・・ベース、Joost Patocka・・・ドラムス、というものでした。

 

一番端っこの席でしたが、主役・カートの全身と、最近気になってるドラムの、左手の動きがばっちり見える、考えうる限りの最高の席でした。

 

何はともあれ、まず、ドラムに目が行ってしまいましたよ。このJoost patockaという人、物凄いジャズ・ドラマーなんじゃないか、と思ってしまいました。

 

今まで、ドラムにそこまで注目して見ていなかったからなのかもしれないのですが、いや、やっぱりこのドラムは凄かった。

 

パワーで押し切ってる感が、全然無いのに、物凄い音なのである。つまり、ほとんど手首のスナップだけで叩いているのだが、それにしても凄い音だった。で、とても気持ちのいい音だった。きっとこのドラマーは、太鼓やシンバルの芯、と言うか打ち所を、完全に理解しているのだろう、と思った。で、その気持ちのいい音を、物凄いスピーディーさで、しかも正確ムヒに叩きまくる。しかもその左手は、まるでドアのノブを回すように、動く。つまり、縦方向のスナップではなく、回転方向のスナッピングなのである。…こういう叩き方って、定石の内なんですか?すいません、自分、全くわかりません。

 

と、ドラムの事ばかり書いてしまったが、ギターも、ベースも、やはり凄かった。特にやはり、今回の主役、カート・ローゼンウィンケルのプレイは、もう神技のオンパレードだった。現代ジャズ・ギターの、トップに君臨するギタリスト、と呼ばれるのも、至極納得の演奏であった。

 

であった…のだが、これくらい凄い演奏になると、逆に色々と要求したくなってしまう、というのは、天の邪鬼だろうか。ちょっと、ポップさが薄かったかな…、とかなんとか。テクニックで言えば、100点。ただ、私はジャズもポップスの亜流だと考えているので、その点で考えると、80点。…これほどのテクニックを見せられると、「すんげぇ~、カッコいい」とは思うものの、「俺には、真似できないな…。」と考えてしまうのも、事実。世界のトップ・プレイヤーなんだから、真似できなくて当然、とも言えるだろうが、ポップスというものは、「自分にもちょっと頑張れば出来そう…」と思わせたが勝ち、なんて私は思っていたりする…。

 

例えば、ピカソの『ゲルニカ』。どうせ描けないのは分かっていても、なんか、描けそうな気がするでしょ?例えば、シャガール。ちょっとドリーミーで、妄想過多の子供なら、描けそうな絵だとと、ちょっと思うでしょ?

 

同じギターで言えば、エリック・クラプトンなんて、まさにそんな感じである。ギターの神様、とまで言われている割には、結構多くの人が、完コピできるレベルの名曲を、いくつも作っている。そこら辺が、日本でも多くのファンを掴んでいる、所以の一つだろう、と思う。

 

カート・ローゼンウィンケルは、確かに現代ジャズ・ギターの最高峰であった。だが、最高峰過ぎて、雲の上の人になってしまっていた。

 

と、カッコよく決めたようで、何となくけなしているような感もあるが、今回のライブ、本当に良かったんです。多分、今まで紹介した生演奏の中で、一番良かったと思います。本当~~に、カッコよかった。さっきも言ったように、出来る子には、色々と要求したくなってしまうのです。

 

 

ということで、今回は、カート・ローゼンウィンケルの、最新オリジナル・アルバムを、紹介しておきます。ジャズ・ギターを学んでいる人なら、彼のこと知らない人はいないかな?今回のライブでも、大学生ぐらいの男3人組など、「それらしい」観客も結構いました。

 

受付で、プレゼントとしてもらった、カート・ローゼンウィンケル・ピックは、宝物にさせて頂きます。あ~、もっとどんどん、ライブ行きたい!

 

スター・オブ・ジュピター(STAR OF JUPITER)

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