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アンクル・チャッキーの名盤紹介

私が名盤だと感じるCDアルバムを、次々と紹介していくブログです。読者様の心のどこかに引っ掛かって貰えれば、嬉しいです。

マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン『ラヴレス』

  前回は、ライヴ・レポートだったため、1回間を置いての、

 

「色」が主張する名盤 その③

 

です。

 

前回、チラッと、今回は「赤」になるんじゃないか、という余韻を残して終わりましたが、はい、今回は、「赤」です。

 

「赤」の名盤と言えば…、これでしょう『ラヴレス』。

 

桃源郷の音楽である。

 

なんだか、何万回?もダビングして?、制作費が掛かり過ぎてレーベルが倒産した?とか、嘘か本当か、音楽関係者ではない私には、あんまりピンとは来ない逸話が色々とあるようである本アルバムであるが、純粋に、音楽として聞いた時の感想を一言で言うなれば、「とろける…」である。

 

このアルバムの主役楽器は、ギターである。ギターのフィードバック?(すいません、あんまり音楽用語詳しくないんです…。)演奏が、とにかく多用されているようである。エレキを持ってる私としても、こういう演奏は、ただテクニックで何とかなるようなものではなく、アンプだとか、エフェクターだとか、そういう機器的なものの貢献が、多大である、ということは何となく判る。

 

つまり、テクニックで聴かせる音楽では、全く無いんですね。おんなじロックでも、とにかくテクニックで聴かせる類の、例えば、イングウェイ・マルムスティーンとかのハード・ロック、ラッシュなどのプログレッシブ・ロックとは、全く違う地平にあるロックなわけである。

 

以前、このブログで登場した、「環境音楽」という分類が、結構当て嵌まるんじゃないか、と思っている。一般的には、「シューゲイザー」というロックの1ジャンルの、代表的作品とされているアルバムである。

 

何だろうなあ。こういう音楽って、すごく良心的だと思ってしまうわけですよ。つまり、「見せる」ための音楽ではなく、「聞かせる」ための音楽。音楽、特にロックをやる奴なんて、自己顕示欲の塊のような奴らがゴマンといるわけで、いかにカッコよく「見せる」か、そこが彼らの一番の優先事項なわけです。別に、否定はしてません。かっこいいミュージシャンは、本当にかっこいいわけで、そこにちゃんと商品価値はあるわけですから。でも、彼ら、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの面々は、そういうベクトルは、ほとんど無いのである。ほとんどメディア露出も無いようである。実際は、結構美男美女なんですがね。

 

まあ、というわけで、純粋に耳だけでこの音楽を、判断してみる。はっきり言えば、エレキギターの歪んだ音なんて、聞く人が聞けば、騒音である。工事現場の騒音と、大して変わりはないのである。でも、本当に面白いもので、「耳」というものは、騒音に対しても、慣れてくれば心地良い音として感じられるようになる、優れた身体の部位なのである。これは、私の仕事柄、実際に体験して分かったことである。つまり、ドリルがコンクリートを削る音も、「耳」が慣れさえすれば、心地良い(!?)音にさえ聞こえるようになってしまうのである。

 

つまりですねえ、私がこの『ラヴレス』を初めて聴いたのは、大学生の時だったわけで、その時は、このギターの音が、どちらかと言えば、「騒音」に聴こえてたんですよ。「心地良い」、「心地良い」と宣伝文句で謳ってる割には、「なんか、耳に痛いなぁ…」などと感じていたのであります。

 

10年越しですよ。やっとこの音楽に、「耳」が追い付いてきたわけです。追い付いてみると、本当に、「心地良い」。まさに、「とろける」ような、甘美な音楽だったのです。秋刀魚の本当に美味い部分は、あの苦い内臓部分にあるんだ!と解った時の心境に、似ている。そうか、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインは、意外と大人の音楽だったのか。

 

このアルバムは、持っていて損はないですね。長~く楽しめるアルバムである。何だか掴みどころの無いような音楽に、最初は聴こえるかもしれないが、噛む度に旨みが増してくる、するめいかのようなアルバムだと思っていただければ、まず間違いはない。なんだか、魚介類が頻繁に登場するな…。

 

ということで、今回は、2012年発売の、2枚組、紙ジャケ仕様を。Disc 1とDisc 2の違いが判らん!デジタル・マスターと1/2アナログ・マスターの違いだそうであるが、…違いが判らん!あと10年くらい噛み続ければ、違いが判るようになるかなぁ…。自分の「耳」に期待。

 

 

ラヴレス(紙ジャケット仕様)

ラヴレス(紙ジャケット仕様)

 

 

 

さて、「色」シリーズも、次回くらいで終わりにしますか…。………「黄色」!?なんてあるか???