アンクル・チャッキーの名盤紹介

私が名盤だと感じるCDアルバムを、次々と紹介していくブログです。読者様の心のどこかに引っ掛かって貰えれば、嬉しいです。

ジョニ・ミッチェル『ブルー』

「色」が主張する名盤 その①

 

 

ブルー

ブルー

 

 

 

青いです。タイトルからして、青いです。

 

ジョニ・ミッチェル、2回目の登場ですね。色々と名盤の多い彼女ですが、全体のバランス、楽曲の良さ、耳馴染みの良さなどから考えて、やっぱり最高傑作と呼べるのが、この1971年発表の、『ブルー』であろう。

 

声がとてもきれいです。声に説得力があります。もしかしたら、彼女のキャリアの中で、最も声質が伸びやかな時期だったんじゃないかと、思われてしまう。

 

…ていうか、ほんとこのアルバムいいなあ。私は、結構若い頃から、名盤集め、というものをしていたわけで、当然この『ブルー』も所有して、よく聴いていたわけだが、最近は他のを聴くのに忙しくて、この盤はしばらくご無沙汰になっていたのだが…。…だが、これは本当に凄いアルバムかもしれない。

 

彼女は、シンガー・ソングライターと言われる。ギターでも、ピアノでも、弾き語りをしてしまうわけだが、特に私の分かる範囲で書けば、ギターの音が半端じゃない。とても、はっきりくっきり弾いている。なんか確か、彼女は、変則チューニングの使い手で、色々なチューニングを使い分けるという、ギターに関して、かなり達者な人物だと、聞いたことがある。

 

女性で、ギターが上手い人って、まあいるんだろうが、あんまり思い浮かばない。…ボニー・レイットぐらいか?オルタナ系では、何人かいたかな?まあ、なんというか、ギターって何となく、激情系の楽器だと思うんですよ。そこら辺が、女性に合わないところかな、とか思ってしまうんだが、やっぱり合う人には合うらしい。

 

ジョニのギターは、しっとりとしている。女性らしい繊細さ、というものも感じられる。ただやっぱり、激情のようなものも、感じ取れてしまう。隠し持った激情、というか。こういう所が、数多の男共をメロメロにさせたんでしょうね。

 

 

このアルバムは、もう全曲名曲と言っていい、本当にクオリティの高いアルバムであるが、敢えてベスト・トラックを選ぶとなると、やはりタイトル曲の、「ブルー」ということになろうか。「ブルー、歌は、刺青のよう」という有名なフレーズで始まるこの曲は、彼女の激情が、最も表れている曲と言っていい。彼女にとって、歌を歌うことは、自分に針を入れているのと同じだ、と歌っているわけである。彼女にとっては、歌を歌うことは、決して楽しいものじゃないのかもしれない。ただ、自分に傷をつけることで、そこから歌詞やメロディーが生まれだすわけで、結局はそれを歌うことが、彼女にとっては、聴き手を、そして自分をも癒す行為になる、ということなのだろう。

 

この世知辛い世の中。自分を上手く癒す方法を知っていないと、すぐに心を病んでしまうような、生きにくい世の中。彼女は、歌を作り、歌を歌い、それを多くの人に届けることが、最高の癒しになっていたのだろう。それを実現させるための、才能、芸術的センスを持ち合わせていた、というのが、彼女にとってとても幸福な事であったと思う。年老いても、なお現役として世界のトップミュージシャンであり続けられる、もう生まれ持ってのアーティストなのである。

 

 

ジョニ・ミッチェル。女性にもモテるんじゃないか、と思ってしまう、その気っ風の良さ。音楽に関しても、やっぱり女性の方が、彼女の音楽を好むんじゃないかな、と思う。

 

と、まあ、こんな感じで、今回は終わりにさせていただきます。是非、聴いてみて欲しいです、ジョニ・ミッチェル。次回は、緑?