《Senzoku Special Wind World 特別演奏会》
昨日、東京オペラシティコンサートホールにて、洗足スペシャル・ウインド・ワールドによる、演奏を聴きに行きました。
私にとっては珍しい選択である、クラシック(吹奏楽)のコンサートです。
何故、このコンサートに行こうと思ったかと言うと、まあ諸事情あってこのコンサートの存在を知り、「「無料」」コンサートだったということで、僕は飛び付いたわけです。タダほど安い物は無い!
え~、肝心の内容ですが、「結構良かった」。これに尽きます。
そもそも、「クラシック」というものは、僕の音楽ライフの範疇には、ほとんど入っていなかったわけで、その理由としては、ロックやジャズと比べて、不良性の少ない音楽だ、と感じていたわけで、その格調高さは認識していたわけだが、「そこまで行く必要はないかな」と、敢えて近づこうとしなかったわけです。
ただ、以前言った通り、「食わず嫌い」というのは、時として人生の可能性を狭める行為であることは何となく感じていたので、ちょっと重い腰を上げて、東京オペラシティまではるばる出掛けて行ったわけです。
この間の「熊本大地震」の追悼曲で幕を開け、「アスファルト・カクテル」という曲名の現代曲(でいいのか?)で、本編が始まります。
物凄い迫力。物凄い一体感(←楽団の)。鳥肌が立ちました。眼球の奥で、水分が上昇してきました。この感じは、ここ数年は味わっていなかった感覚でした。この曲一発で、私のクラシックに対する壁は取り払われましたね。「俺の知らない世界が、まだここにもあった」という感じです。いや、この演奏は、観客の誰もが心を打たれたでしょう。
その後、2016年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲が5曲と、現代曲が1曲、演奏されるわけですが、まあまあそれは、想定の範囲内。ところどころドキッとするところもありましたが、上手い演奏を、しっかりと聴けた、という感じです。
ただ、最後の曲、ラヴェルのバレエ音楽、「ダフニスとクロエ」は、またもや引き込まれました。この演奏の統一感は、洗足学園という括りの強靭さから来るものなのだろうか。団結力の強さを感じました。
…私は、こういうコンサートにおける、「アンコール」というものが、好きである。アンコールで演る楽曲は、得てして観客に馴染みのある曲であることが多いので、楽しんで聴けるからである。
アンコール1曲目。曲名は、私の無知により、分からず。高校野球の応援の吹奏楽で流れるやつです。ちゃーちゃちゃちゃーちゃちゃちゃーちゃちゃちゃー、というやつです(わかるわけないか)。アンコールとなると、やっぱり演奏者も力が抜けるんですかね。なんか全員ノリノリでした。私もつられてノリノリでした。
アンコール2曲目。なんか聴いたことのある曲だと思って、「ジャズかな?」とも思ったが、ホイットニー・ヒューストンの「すべてをあなたに」であることを思い出した。この曲も最高でしたが、欲を言えば、もっともっとクライマックス的な感じで、盛り上げちゃっても良かったかな、という感じでした。そうは言っても、とても楽しい演奏でした。
全体的に感じたことは、クラシックは、今後も「アリ」だな、ということである。下手に「食わず嫌い」をする必要のない音楽だということも、認識しました。ロックやジャズにも通じる、ある種の「熱さ」のようなものも、しっかり感じ取ることが出来ました。私がこれから、どこまで掘り下げていくかは分からないが、クラシックの「世界観」のようなものも、一聴するだけで捨て去ることの出来ない、奥深い世界であることも、感じ取れました。
それにしても、プロの生演奏というものは、聴きに行く度に、大きな発見があるなあ、というのが、私の感想である。CDというものは、言ってしまえば「モノ」である。しかし、コンサートで聴くものは、「ヒト」である。そこには、演奏者と観客との、微妙な心のやり取りがあるんですね。やっぱり、音楽の神髄は、生演奏にあると言って、間違いないんだろうな。今後も、生演奏は出来るだけ多く、聴いて、その感想を報告していきたいと思っています。
最後に、「すべてをあなたに」が収録された、ホイットニー・ヒューストンのファースト・アルバムを紹介しておきます。この曲は、本当に名曲です。なんか、ポップスとかクラシックとか、そういう分類をしていることが、ナンセンスな感じがして来始めている、私でありました。
- アーティスト: ホイットニー・ヒューストン,テディ・ペンダーグラス,ジャーメイン・ジャクソン
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2010/02/03
- メディア: CD
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