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アンクル・チャッキーの名盤紹介

私が名盤だと感じるCDアルバムを、次々と紹介していくブログです。読者様の心のどこかに引っ掛かって貰えれば、嬉しいです。

ジェフ・バックリィ『グレース』

私が、大学時代に嵌まっていたミュージシャンは、数多くいる。例えば、レッド・ツェッペリン。例えば、ニール・ヤング。例えば、ホワイト・ストライプス

 

しかし、私の大学時代、最大の出会いは、このジェフ・バックリィとのものだろう。

 

 

彼が残した、唯一のスタジオ・アルバムである。しかし、ここには、彼の全てが刻まれている。

 

なんと言ったらいいのだろう。分類できない音楽。「ジェフ・バックリィ」としか分類の出来ない音楽。

 

天才、と片付けてしまえば早いのだろうが、そんな簡単な形容でさえも、勿体ないと思ってしまう程の、唯一無二の存在だと思う。

 

最初は、耳に全く引っ掛かって来なかった。ただ、6曲目「ハレルヤ」だけは、やたらと耳に残った。これが、レナード・コーエンのカヴァーだと知ったのは後の話であるが、「こんな曲が存在するのか!」と、もう何回も何回もリピートして聴いたものだった。

 

それにつれ、他の曲にも耳が行くようになり、このアルバムの全貌が判るようになってきた頃には、私はこのアルバムの「恐ろしさ」のようなものを感じ始めるようになっていた。あまりに出来過ぎた音楽。天から降りてきた音楽を、そのまま彼が歌い、奏でてるとしか思えないようになっていた。

 

このアルバムは、遥か昔からのポップ・ミュージックの系譜の中で、ポツンとどこにも属さないで、今なお異彩を放ち続けている、孤高のアルバムである。私は、彼の歌声を聴いて、激しい嫉妬を感じたのを覚えている。なぜ嫉妬を感じたかと言うと、私の目指していたところの、遥か上に彼の歌声は存在していたからである。これは、いくら自分を磨いても、追い付けないと思った。もう生まれ持ったものそのものが、全然違っている、と思った。

 

 

…のちに、方向性さえ彼と同じだったならば、彼の高みに近づくことはできたのだ、ということを悟るのだが、それも今となっては昔の話。今では、ただただ美しいばかりの彼の歌声と、独特なギターを、一つの非常にクオリティの高い音楽として、心地よく聴けるようになったのであります。

 

 

私の人生に、非常に決定的に大きな影響を与えたアルバム。言葉で語ることさえ忍びなく感じてしまう、彼の全てがぶつけられているアルバムである。初めて聴く人は、あまりに大きなその魂そのもののような音楽に、戸惑ってしまうこともあるかもしれないが、それに臆さないで、是非繰り返し聴いて、彼が伝えたかったものの壮大さを、感じ取ってほしいところであります。

 

彼のライブ音源や、未発表曲は、色々な形でリリースされていて、そういう所にもぜひ手を伸ばしていって欲しいところですが、何は無くとも、まずはこのアルバムです。雪の結晶のようなアルバムです。

 

 

グレース+EPs

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