アンクル・チャッキーの名盤紹介

私が名盤だと感じるCDアルバムを、次々と紹介していくブログです。読者様の心のどこかに引っ掛かって貰えれば、嬉しいです。

B.B.キング『ミッドナイト・ビリーヴァー』

ブルース…。

 

どうでしょう。

 

皆さんは、興味あるでしょうか。

 

 

B.B.キングと言えば、ブルース界のレジェンド位の人だと思うが、私はこういう人を割と避ける嫌いがあった。「こういう人」というのは、例えば、エルヴィス・プレスリーチャック・ベリーマディ・ウォーターズとか、例えば、チェット・アトキンスジョニー・キャッシュとかボ・ディドリーとか、まあ挙げれば切りはないのだろうが。

 

まあ簡単に言えば、「1950年代組」のことである。ビートルズローリング・ストーンズがデビューする前の音楽であって、まあ「ロックン・ロール」だとか、「カントリー」だとか、「ブルース」だとか、そういう括りはあるんだろうが、私は割と、そういう音楽を、「聴くに値しないなぁ」などと、考えていたわけである。まあ、私が音楽を聴く際の情報源として、「ROCKIN'ON」辺りの雑誌から情報を得ていたわけで、そういうのってもう全てが、ビートルズとかローリング・ストーンズとかの「1960年代組」から話が始まっているわけである。

 

なんかよくあるじゃないですか。エリック・クラプトンとかU2とかが、B.B.キングと組んでアルバムを作成したとかいう話。そういうのって、なんか大御所に敬意を表明しただけで、音楽的冒険の無い、なあなあの企画ものだったりするんだろうなあ、とか思ってたりしたわけである。

 

結構な暴言吐きである。

 

とは言うものの、このブログを見てれば少し判るのかもしれないが、私は、ジャズなども進んで聴くわけである。まあそういうのをどっぷり聴くようになったのは、割と最近のことであるわけだが、まあジャズって黄金期は、「1950年代」と言われているわけで、「1950年代」を批判する態度を持つことは、自分の中で「矛」と「盾」を突き合わせているような行為であることは重々に承知はしていたのだが。

 

…というわけで、自分の中で少しでも矛盾を解消しようと、このB.B.キングという代物に、重い腰を上げて、手を出してみたわけである。いや、初めて聴いたわけではない。自分の性格上、世の「名盤」と呼ばれるものは、一通り聴いてみようというスタンスはあったわけで、彼の『ライブ・アット・ザ・リーガル』などは、持っていて、聴いていたりはしていたわけなのだが、はっきり言って何も痺れる所が無かったわけで、「結局こういうのって、古臭い音楽なんだよなぁ」などと思っていたわけで。

 

今回重い腰を上げて手に入れたのは、今回の『ミッドナイト・ビリーヴァー』と『ザ・グレイト・B.B.キング』と『マイ・カインド・オブ・ブルース』と『インディアノーラ・ミシシッピ・シーズ』である。こうやって、色々手を伸ばしてみて、じっくり聴いてみると、、、分かる。「ああ、このおっさんは、単に名声を得てしまっただけの、単なるおっさんではなかったのだな」、と。

 

この、『ミッドナイト・ビリーヴァー』。はっきり言えば、「フュージョン」である。まあフュージョンの代表的グループ、「クルセイダーズ」のメンバーが、このアルバムには参加していて、そういう色合いになっているのかもしれないが、B.B.キングは、そうした連中の中で、堂々と「主役」を張っているのである。

 

何?このおっさん、もとい、このキングさん、ジャズもできんの?という感じであった。ジャズが出来るから凄いというわけではないが、ある程度ジャズを聴いてきた身として、こういうアルバムを聴くことで、初めてこのキングさんの実力というものが、私の前で露わになったわけである。

 

いや、やられましたよ、実際。人をなめると、ろくなことはないな、と思った瞬間でした。知ったかぶり、食わず嫌いというのは、人生を狭めるなぁ、と。やっぱ人間、ちゃんと向き合ってから、物事を判断すべきである。

 

…ということで、この一連のB.B.キングのアルバムを聴いたことで、私の中では、ブルースは「OK」となってしまいました。ということで、そこから派生的に、「ロックン・ロール」や「カントリー」等も、食わず嫌いはやめよう、という精神が生まれました。これからは、そういうルーツ音楽的なものにも、入り込んでいこうかと。まあ人生まだこれから長いんだし、楽しみはより多くあった方がいいでしょ。

 

もう一つ、私はアコギを持っているわけで、ブルースなんかも弾けたらいいかなあ、などと考え始めているわけである。ブルースって、なんか簡単なイメージがある。素人耳でも、なんかどのフレーズも似たパターンみたいのがあるなあ、と思って、簡単そうだと判断しているわけだが、まあ実際にやってみようということで、これ。

 

 

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ここ最近、こういう出版される楽譜の類が、充実してきているなあ、と感じるのは、私だけであろうか。

 

 

私に、新たな目を見開かせてくれた、B.B.キング。確か去年、お亡くなりになったというニュースを聞いた気がする。いやあ、B.B.キングさん、あなたはやっぱり偉大な人だったんですね。人をなめちゃぁいけない、という態度まで学ばさせてもらいました。これからは、あなたの音楽的足跡を、一つずつ辿って行こうと思います。天国でも、ご達者で。

 

 

 

ミッドナイト・ビリーヴァー

ミッドナイト・ビリーヴァー