アンクル・チャッキーの名盤紹介

私が名盤だと感じるCDアルバムを、次々と紹介していくブログです。読者様の心のどこかに引っ掛かって貰えれば、嬉しいです。

ロバート・プラント&アリソン・クラウス『レイジング・サンド』

え~、前回は、ライブ・レポート的な感じで、夢のようなひとときを、言葉足らずではありますが、お伝えしました。

 

録音演奏と、生の演奏は、これ程までに別物だったのか、と、眼を開かれた思いであります。

 

今月も、第2弾を既に予定しているので、また、今度は上手く、お伝え出来たらな、と思っています。

 

 

さて、このブログの趣旨は、CDアルバムの、私が名盤だと思うものを、次々と紹介していく、というものなので、今回は元に戻って、ベーシックなスタイルでお送りします。

 

 

ロバート・プラント…。皆さんは、知っているだろうか。今の日本において、どれだけの知名度があるのかは、ちょっとばかし疑問だが、60歳前後の、ちょい擦れオヤジたちにとっては、もう神々しいまでの存在だったりもするんではないだろうか。そうである。このブログでも何度も登場する、伝説バンド、レッド・ツェッペリンの花形ボーカル、その人である。

 

アリソン・クラウス…。皆さんは、知っているだろうか。…私は…、知らなかった(ズドーン)。いや、無名の人だったらまだしも、この人、グラミー賞の受賞数、女性でNo.1だそう。いや、音楽好きで通してきた自分にとって、これはかなりの痛手である(どこが?)。

 

いや、言い訳をさせてもらえれば、グラミー賞というのは、勿論アメリカで設けられている賞なわけで、アメリカの伝統音楽、カントリーとか、ブルーグラスとか、そういうものの評価に、結構重きを置いているのである。まあ、日本で言えば、演歌である。演歌なんて、外人さん、あんまり聴かないっしょ?それとおんなじなんすよ。はは。

 

そうなのである。このアリソン・クラウスという人、カントリーとかブルー・グラス界のディーヴァと言われていて、まあそういう音楽に、今の時代に新しい風を吹かせた、ということで、アメリカでは相当な評価を受けているようなのである。

 

演奏としては、フィドル(バイオリンのこと)などをやるのだが、勿論このアルバムの中でもフィドルは弾いているのだが、なんと言っても彼女の一番魅力的なところは、そのヴォーカルである。

 

透き通るような歌声。…もうこの言葉が、的中しているのである。例えて言うなら、ダーツのブル(一番中心のところ)に、何度ダーツを投げても刺さってしまうような感じである(どういう例えだ)。

 

私自身、彼女の歌声は、弩ストライクでした。こんなヴォーカリストを知らなかったなんて、私は、人生の半分を無駄に過ごしてきたと言って、差し支えないだろう。

 

…やや変なテンションであるが、私は、ロバート・プラントは、男性としては、最高のヴォーカリストと思っているわけで、その彼が、こんなにも美しい歌声を持つディーヴァとコラボした、というだけで、このアルバムは、名盤の域を軽く超えるぐらいなのである。

 

ただ、そういう外面的な事実を無視して、この音楽にちゃんと耳を澄まして聴いてみると…。なんかやっぱり、ひと癖あるんだよなあ、こいつら。伊達に、音楽界のトップを走ってきたわけじゃない、というのが、深々とわかる。

 

つまり、耳馴染みのいい音楽を作るというのは、意外と簡単なことなのである(私は作れないが)。音楽作成の定石を知っているミュージシャンなら、もうちょちょいのちょいであろう。

 

逆に、耳馴染みの悪い音楽を作る、というのも、簡単、というか、まあこういうのは、作品としてのレベルは、あんまり高くないのだろう。

 

この方たちの音楽は、別に、ポップなわけではない。わかりやすい音楽というわけでもない。でも、ただ耳を簡単に通過してしまうだけの音楽、というわけでも、決してない。ところどころで、耳にちゃんと引っ掛かってくるのである。全体像は掴みにくいのだけれど、気が付くと、また今日もCDプレーヤーの上で廻っている。…私はこういう盤を、「名盤」と呼ぶ。

 

 

それにしても…、この2人のヴォーカリスト、なんか雰囲気が似ているんですね。爽やかな風を吹き込む歌声でありながら、どこか激情を隠し持っているかのような、雰囲気。見事に、息ピッタリなのであります。

 

こういうアルバムと出会うことが出来るから、私は名盤漁りをやめられない。音楽の世界は、無限の拡がりを持っているのである。

 

 

ということで、今回はこの辺で。次回も、ベーシック・スタイルで行きます。

 

 

レイジング・サンド

レイジング・サンド