アンクル・チャッキーの名盤紹介

私が名盤だと感じるCDアルバムを、次々と紹介していくブログです。読者様の心のどこかに引っ掛かって貰えれば、嬉しいです。

CHARA『STRANGE FRUITS』

チャラチャラしてるから、CHARAと名乗ったのだそうだ。

 

うーん、このCHARAさん、日本の音楽界の至宝だと思うのですな。ジャンル分けできない、絶対的オリジナリティー。その音楽、歌詞、歌声、全てが、「CHARA」というジャンルを形成してしまっている。これはもう、ひれ伏すしかないと思うのです。

 

この人、想像してみるに、幼いころは相当やさぐれていたんじゃないか、と思うのです。頭は良かったのだろうが、優等生タイプではなかったはずだ。テストでは満点を取るのだが、授業はサボタージュするような、そんな人周りにいませんでしたか?きっと、多分そんな感じだったんだろうと想像がつく。

 

この人は、「愛」の歌を歌う人である。というと、気恥ずかしさを覚える人も少なくないだろうが、この人の場合、そのスタイルが「格好良く」見えてしまう。凄いことだ。「愛」に対する絶対的確信と、それをセンス良く料理してしまう器用さを持ち合わせている彼女だからこそ、できることだ。

 

このアルバムの中のきらりと光る曲を2曲。

 

1曲目、「光と私」。なんて曲だと思う。歌詞カードを見ると、「影を影を」と書いてある部分が、私には、「考える、カンガルー」に聴こえる。「わけをわけを」の部分が、私には、「わかるわかる」に聴こえる。というか、「わけを」と歌うだけで、「わけをわかる」に聴こえる。なんて歌だ。言葉の呪縛を解き放った、意味が無限に広がる 歌である。まずは、歌詞カードを見ないで、じっくり聴いて欲しい曲である。

 

2曲目、「70%ー夕暮れのうた」。ちょっと憂鬱な感じ、70%な感じがたまらない曲である。雨降りの時のことを歌った歌だが、雨の時の気分ってまさにこんな感じである。それであってかっこいい。自分としては、今まで聴いたチャラの楽曲の中で、一番クールな感じがして、一番好きかもしれない。

 

この人の音楽は、多分に女性的なのだが、敢えて分類すれば、まあロックだろうな。ロックが反抗の音楽だとしたら、この人の反抗の対象は、「愛」を恥ずかしがる人、またはそれを通り越して毛嫌いしてしまう人たちなのではないか。「愛」を歌うことは、こんなにかっこよくもなるんだぜ、というCHARAの声が聞こえてくるようである。

 

と言いつつ、「愛」「愛」と連呼するこのブログに、一抹の気恥ずかしさを感じてしまう私であった。CHARAさんに、一発ぶん殴ってもらおう。

 

ということで、今回紹介した2曲は、どちらもベスト盤の『Caramel Milk』に収められているのだが、まずは、このオリジナル盤から入ってほしい。CHARAの絶頂期のものすごい構成力に、一度皆さんにもノックアウトされてほしいと思うのであります。

 

 

Strange Fruits

Strange Fruits