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アンクル・チャッキーの名盤紹介

私が名盤だと感じるCDアルバムを、次々と紹介していくブログです。読者様の心のどこかに引っ掛かって貰えれば、嬉しいです。

フェアポート・コンヴェンション『リージ&リーフ』

 このグループに、強く憧れた。

 

大学生の時、今は無き、新宿のヴァージン・メガストアで、このアルバムと、Richard and Linda Thompson『I Want to See The Bright Light Tonight』(どちらも輸入盤)を購入した。当時はまだ、国内盤よりも破格の値段で買えるということで、輸入盤というものが売れていた時代だった(気がする。まだ子供だったので、よく判ってはいなかった。)後者のアルバムも大名盤なので、どっちを紹介しようか迷ったが、アルバムとしての重みで言えば、前者に圧倒的に軍配が上がるため、こちらを紹介させて頂く。

 

このアルバムは…、というかこのグループは、イギリスの音楽の歴史を自らの背中に背負っている。それだけの責任を、自信を持って引き受けているような感を受ける。

 

イギリスには、古来から、Ballad(バラッド)という民衆音楽が存在していた。その辺のことはあまり詳しくないので語れないが、先の2枚のCDを購入したすぐ後に、大学で「イギリス伝統音楽」というような講義が当にあったので、私は迷うことなく受講したのでありました。100年ぐらい前の音楽だと思うが、貴重な音源をずっと聴いていられるという、本当に贅沢な講義でした。その中で…、この「フェアポート・コンヴェンション」というバンドが登場したのです。

 

そのように、学術的にも語るべきところの多いバンドなのだと思います。このバンドは、イギリスの伝統音楽に、ロック音楽の要素を取り入れて、正に伝統と革新を折衷させた、全く新しい音楽を産み出してしまったバンドなのである。

 

何が凄いかと言えば、彼らは、イギリスの民衆音楽の中に、プログレッシブなニュアンスが隠れていることを、いち早く見抜いた、という点にある。この『リージ&リーフ』が発売されたのは、1969年。この年の代表的なアルバムと言えば、キング・クリムゾンクリムゾン・キングの宮殿』。プログレッシブ・ロックの出発点であり、かつ、代表作である。しかし、この年のイギリスで、もう1枚、プログレッシブ・ロックの端緒となるアルバムが発売されていたのである。それがこの、『リージ&リーフ』である。

 

それが顕著に表れているのが、「マティ・グローヴズ」と「タム・リン」。どちらも長尺の曲であり、同じメロディーが繰り返されるにつれ、なんだか血液が煮え立ってくるような、ボディ・ブローにも似たような、じわじわと込み上げてくる何かを感じずにはいられない名曲である。

 

このバンドの顔は、サンディ・デニー(Vo)とリチャード・トンプソン(Gu)。そうです。冒頭のもう一枚の方の人です。当時、同じ人が演奏してるとは知らなかった!この2人、古き良きイギリスを当に体現してしまっている2人なのである。フェアポート・コンヴェンションは、メンバーの入れ替わりの激しいバンドなのであるが、やはりこの2人がいた時期が黄金期であろう。サンディ・デニーは、レッド・ツェッペリン『Ⅳ』の「限りなき戦い」で、ロバート・プラントと歌声のせめぎ合いをした人なので、知っている人も多いだろう。

 

静かな音楽である。静かだけど激しさを持った音楽である。英国の歴史を感じさせる音楽である。

 

一家に一枚、アルバムのアートワークも含め、持っていて絶対に損はしない一枚だと、自信を持ってお薦めします。

 

 

 

リージ・アンド・リーフ+10~デラックス・エディション(紙ジャケット仕様)

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