アンクル・チャッキーの名盤紹介

私が名盤だと感じるCDアルバムを、次々と紹介していくブログです。読者様の心のどこかに引っ掛かって貰えれば、嬉しいです。

PONTA BOX『PONTA BOX』

 私が一番好きな、日本のジャズアルバムである。私が初めて聴いた、日本のジャズアルバムでもある。

 

PONTA BOX。メンバーは、村上ポンタ秀一(ドラム)、佐山雅弘(ピアノ)、水野正敏(ベース)の3人である。この3人、なんだかとてもグループ力が強いんですね~。村上といえば、数多のセッションをこなしてきた、プロ中のプロ。このグループでも、とにかく叩きまくっている。ところが、だ。佐山のピアノ、跳ねる跳ねる。水野のベース、うねるうねる。

 

超実力派の3人の三つ巴。喧嘩しているわけでもないが、足並みを揃えているのともちょっと違う。ロック界で言えば、クリーム的な?ちなみにPONTA BOXは、ジャズというより、フュージョンです。フュージョンの定義?なんだっけ。ジャズにロックを足して、2で割ったような?AOR?まあいろんな側面があるとは思いますが。

 

私はこのアルバムを聴きながら、この3人は楽しい人達なんだろうな、と思った。言ってみるならば、音楽でジョークを言い合ってる感じ。決してふざけているわけではありません。面白いものに、真剣に取り組むいい大人たち。そんな感じです。

 

私はこのCDを聴く度に、「よく出来た音楽だなあ」と思う。日本人でこんな音楽を作り出せたことが、嬉し驚きだが、でもよく考えてみると、日本人だからこそ生み出せる音楽なのかもしれない。音楽作品って、演奏者の育った環境の空気みたいのが詰め込まれるというか、やっぱりこの微妙な味わいは、アメリカ人には出せないなというか。やっぱりこれは、日本人だからこそ心から楽しめる、日本人による、日本生まれのジャズアルバムなのだなあ、と改めて思えてしまうのである。

 

彼らは後に、このアルバムに収録されている曲等を引っ提げて、スイスの伝統のモントルー・ジャズ・フェスティヴァルに出演する。そこで彼らは大喝采を浴びるのだが、日本人は文化的にも、欧米諸国に対抗できるのだな、と自信を与えてくれる出来事だと思う。

 

そんな彼らの瑞々しいアイデアが凝縮された、楽しい1枚である。お試しあれ。

PONTA BOX

PONTA BOX